「…だからおまえも…二度と秋の気持ちを疑うな。」


和樹は真剣な瞳でそう言うとスッと立ち上がった。

「……。」


私…相川くんの気持ち、
疑っちゃった…。
あんなにも真っ直ぐに伝えてくれてたのに…。


「えっ…矢野くん、どこ行くの?」

今まで黙っていた舞が慌てて聞く。


「教室戻る。渚、疲れてたみたいだから、変な考えしてないかなって思って来ただけだし。」


和樹はチラッと私の方に視線を向けた。


「…秋のこと、疑って悪いと思ったんなら今から教室行けよ。」

「え…?」

「今なら教室にいるから。そんな暗い顔すんなよ。秋は笑った渚が一番いいって言ってたし。」


和樹は私の頭をくしゃくしゃ撫でると、舞の隣に座り、そのまま抱き寄せた。