思い出しただけでも不安になってしまう、相川くんのあの時の様子。


放課後、二人きりになったところで

私は言った。

『相川くん…告白の返事なんだけど…』

私はこの時、

早くもこの微妙な関係がもどかしくなっていた。
好きなのに付き合ってなくて、なのに頬にキスはする。

嬉しいのに心から喜べないなんて…。

私は早く、気持ちを伝えたかっただけなの。


すると、それまで笑いながら作業していた相川くんの表情が一変して、

急に慌て出したかと思うと、

『ごめん藤崎さん!!俺、先生に呼ばれてたんだった!!』

早口にそう言って、一瞬のうちに教室から出ていってしまった。


私は呆然としながら、相川くんの帰りを待つだけで、

学校から帰る時も、相川くんは私に話す暇を与えないかのように、

その日は不自然なくらい喋り続けていた。