それでね、この間の事なんだけど
どこからか、声が聞こえたんだ。


『○○ちゃん、見いつけたっ』

お姉ちゃんの声で。


そういえば、見つけられた後にすぐに逃げちゃって
かくれんぼ終わってなかったんだ。

きっと引っ越ししたから、
見つけられなかったんだね。


……いつか、
お線香あげさせてもらえないかな?




ふーっ


24本目の蝋燭が消えました。



俺さ、最近悩んでた事があって。

それで仲のいい、まあ親友?
そいつに相談した訳よ。

したらさ、一通り話を聞いた後、
やったら真面目な顔してさ、
『ひとはだ脱いでいい?』って
そんな事を聞いてきたんだ。

ああ、助けてくれるのかな?って
よくわからないけど、了承したんだ。


そしたらそいつがさ、
『マジで?よかったー』って
なんか喜んで、


『じゃあ脱ぐわ』って……


脱いじゃったんだ。

人肌。



うん、皮膚をね。




んでさ、

『じゃあ行ってくるわ』って
外に出てさ……あ、俺んちに居たのね?


帰ってきたら、また人肌着て、
それからはもういつも通りだったんだ。


あいつの中身?

……何か、よく解らない感じだったよ。
グロくないから大丈夫。多分。
見た事無いような、別の生物?みたいな?


まるで服を脱ぎ着するように
自然にふるまってるからさ、
なんにもツッコめなかったんだ。



そんな事があったんだけど、
夢でも見たかなって、
信じられないし、忘れようとしたんだ。



あ、それでね
俺の悩みってのが対人関係だったんだけど

その事があった次の日、
相手が行方不明になっちゃってさ、
嫌な感じで解決しちゃったよ。



何が言いたいのかっていうとさ

……俺の親友、人間なのかな?





フッ


25本目の蝋燭が消えました。





俺には彼女が居るんです。

2年前から付き合ってて、
いい子で、俺の事を大切にしてくれるし
俺も彼女の事、すっごい好きなんです。


彼女の誕生日、先週だったんですけど、
サプライズしようと思って、
こっそり、彼女の部屋に忍び込んだんです


忍び込む。って言っても、
プレゼントとケーキを持って、
合鍵使って入っただけなんですけど……

あ、彼女は年上の大学生です。

向こうが3年で俺が1年の時に出会って
目が合った瞬間ビビっと……

その話はいいですね。すみません。


で、彼女は今、一人暮らししてるんです。

その住んでるアパートに、
音を鳴らさないように
こっそりと入ったんですよ。



それで部屋に入ったら彼女の靴があって、
中は暗かったけど、人のいる気配はあったんです。


もしかして具合でも悪くて寝てるのかな?
ちょっと心配になって、
声をかけようとしました。

でもその時、
動くベッドが目に入ったんです。


どう見ても、彼女1人じゃない。
誰かと一緒だ。
浮気か?

まさか!彼女がそんな事する訳が無い。

そうは思ったけど、
少し様子を見てみようと思いました。



窺っていると、
やっぱり彼女は浮気をしている。
そう確信しました。


でもわざわざ、自分の誕生日になんて。

……考えたくも無いけれど、
まさか浮気相手は俺の方?

そんな事も考えました。


呆然としていると、
彼女が相手の名前を呼んだんです。


……その名前、俺と同じだったんです。



間違わないように、
同じ名前の男にしてるんだろうかと
そうも勘ぐりましたが、
よく考えたら、浮気なんてする時間無いんですよね。


彼女のバイト、俺の妹の家庭教師だし、
俺のいとこと同じ大学で、すごい仲良くて
いっつも一緒に行動してるし。
空いてる時間全部、俺と過ごしてるし。

それに、気づいたんですよ。


玄関に彼女以外の靴も無かったなって。

どこかに隠してる可能性もあったけど、
彼女の事を信じようと思いました。


今のこの光景は、何かの間違いだと。




……でも、どうしよう?

もしかすると、
一度部屋を出て、また入ったら、
何事も無かったように迎えてくれるかもしれない。

よし、そうしよう。


そんな事を思っていると、
布団の中からこっちを見てる顔があったんです。


……俺の、顔でした。



それを見た瞬間、俺は素早くしかし静かに
部屋を後にしました。


プレゼントとケーキは、
その場に置いてきちゃったんですが。



それで次の日、彼女に会うと
ちょっと照れた顔で

『昨日はとっても嬉しかったよ』

そう言ったんです。


プレゼントの事かなと思ったけど、
やっぱり彼女は誕生日を、
俺と過ごしていたみたいなんですよ。

それに他の日も時々、
彼女との記憶が食い違ってるんですよね。


俺、なんか2人いるらしいです。




ふーっっ


26本目の蝋燭が消えました。



こないださ、数人で、
死ぬ間際に一言、
好きな事言えるなら何がいい?って、
そんな事を話してたんだ。


大体みんな、ドラマや漫画の台詞とか
カッコつけてるような事だったんだよ。


それで、1人が
『俺は、好きな人に好きだって言うな』
そんな事を言ったんだ。


それもまたカッコいいじゃん!って、
相手誰だよ、とか盛り上がったんだけど。


その帰りにさ、ソイツ死んじゃったんだ。
事故にあってさ……本当にいきなり。


あんな話したからじゃないのかとか、
後悔したりもしたよ。


それで、病院にまだ、いるらしかったから
行こうかどうしようか悩んでた。

そうしてたら、電話がかかってきたんだ。

……ソイツから。


それで、言われたよ。

『好きだった』って。


遅いじゃん。

間際じゃないじゃん!
っていうか過去形かよ!


……もっと早くに、言えばよかったのに。


ほんとさ、馬鹿だよね。





ふーっ


27本目の蝋燭が消えました。