眠り王子×無関心姫②【完結】





「あはははは!!!」


ひっどい顔。




「わ、笑うなよー!!」

「ははははっ!!!ヤバいっ!!!」

「くっそー。決まんねー。」




悔しそうに、そう言った玲。



もー、可笑しすぎる。





「まーまー。ちゃんと冷やせば、大丈夫だって。………ふふっ!!」



顔みたら笑ってしまうー。



目がぼっこし腫れてる上に、膨れっ面。




…もう。

カワイイ。








ひとしきり笑った後、玲はあたしをぎゅっと抱きしめた。





「……舞憂、ごめん。」

「ん。いいの。」

「……なんで怒ってたんだ?」

「お姉さんが玲にひっついてたからさ。」

「……妬いたんだ?」

「さあね。どうだか。」

「……舞憂、カワイイね。」

「玲のほうがカワイイ。」

「……舞憂、大好き。」

「……………。」

「……舞憂?」

「…あたしは、大大大大好きだけど。」

「〜〜〜〜〜っ!!!!もう!!!!!」

「ふふふ。」







ぐいっと玲が体を離して、あたしたちは向き合った。




「舞憂、ほんっとに大好き。」

「ありがと。」

「…舞憂は?」

「大大大大好きだってば。」

「うれしい。」





ふわっと玲の顔が近づいて。



海のしょっぱい匂いに包まれて、甘い、甘いキスをした。










あ゙ー―――。

あっちいよ。



「んはは〜舞憂ぅ〜」




あっちいよ………。



「舞憂ぅぅう〜」




もう溶ける…

あたし死んじゃう…




「舞憂〜」

「あっついんだよ!!!!!」



くっそ!!!

玲め!!!




「ひっつくんじゃない!!!!」

「ぇぇぇえ……」







せっかくだらだらしてんのに…


クーラー付けてんのに。



玲がひっついてるから意味がない。




「舞憂っ!!外に行こう!!」

「ヤダってば…。玲だけで行ってくればいいじゃんか…」

「えー――。寂しいよ。」

「あたしは昨日の海で疲れてんだよ…」

「昨日……へへっ」




……このやろう。


幸せ思考め。







………お腹空いた。


ごそごそと立ち上がって、キッチンに向かう。




えーっと………


そーめん…


……………ない。




「舞憂?どうかした?」

「……そーめん…」

「は?」

「そーめんがナイ……」

「そーめん?」

「そーめんが食べたい〜!!!!」

「まっ!!舞憂っ!?!?」




そーめん……

食べたい!!!



日本の夏といえばそーめんでしょ!!!








「まーまー。じゃあ買い物行こーぜっ!!」



嬉しそーに言いやがってぇ…




…でもそーめん食べたいし。



「………行く。」




楽なTシャツをちゃんとしたやつに着替えて、ミュールを履く。




「行ってくる。」

「いやいやっ!!俺も行くからっ!!」



二人で、近くのスーパーに。




ああ〜スイカも食べたくなってきた。









夏だもんな〜

やっぱスイカだよな〜


でもやっぱそーめんも捨てらんし…



お昼にそーめん食べて、夜スイカ食べようかな。


うん、そうしよ。



ちょうど玲もいるから運んでもらえるし!!




重いから、ついでに今日は禁酒してみよっかな。




よし、決まり!!!





「れ〜い〜、スイカ持って帰ってね?」

「ん、スイカ?そーめんは?」

「昼そーめんで夜ご飯の後にスイカ。」

「りょ〜かい。」




夜ご飯は何にしよっかな〜








夜も日本っぽくお刺身にすることにした。




「何の刺身がイイ?」

「サーモンとータコとー………」

「イカも食べたい。」

「……俺、イカ嫌いなんだけど。」




知るか。



けっきょく魚をたくさん買って、そーめんを買って、スイカを買って、家に帰った。





あ〜やっぱそーめんうまい。


明日もお昼はそーめんでイイや。