「あはははは!!!」
ひっどい顔。
「わ、笑うなよー!!」
「ははははっ!!!ヤバいっ!!!」
「くっそー。決まんねー。」
悔しそうに、そう言った玲。
もー、可笑しすぎる。
「まーまー。ちゃんと冷やせば、大丈夫だって。………ふふっ!!」
顔みたら笑ってしまうー。
目がぼっこし腫れてる上に、膨れっ面。
…もう。
カワイイ。
ひとしきり笑った後、玲はあたしをぎゅっと抱きしめた。
「……舞憂、ごめん。」
「ん。いいの。」
「……なんで怒ってたんだ?」
「お姉さんが玲にひっついてたからさ。」
「……妬いたんだ?」
「さあね。どうだか。」
「……舞憂、カワイイね。」
「玲のほうがカワイイ。」
「……舞憂、大好き。」
「……………。」
「……舞憂?」
「…あたしは、大大大大好きだけど。」
「〜〜〜〜〜っ!!!!もう!!!!!」
「ふふふ。」
ぐいっと玲が体を離して、あたしたちは向き合った。
「舞憂、ほんっとに大好き。」
「ありがと。」
「…舞憂は?」
「大大大大好きだってば。」
「うれしい。」
ふわっと玲の顔が近づいて。
海のしょっぱい匂いに包まれて、甘い、甘いキスをした。
あ゙ー―――。
あっちいよ。
「んはは〜舞憂ぅ〜」
あっちいよ………。
「舞憂ぅぅう〜」
もう溶ける…
あたし死んじゃう…
「舞憂〜」
「あっついんだよ!!!!!」
くっそ!!!
玲め!!!
「ひっつくんじゃない!!!!」
「ぇぇぇえ……」
せっかくだらだらしてんのに…
クーラー付けてんのに。
玲がひっついてるから意味がない。
「舞憂っ!!外に行こう!!」
「ヤダってば…。玲だけで行ってくればいいじゃんか…」
「えー――。寂しいよ。」
「あたしは昨日の海で疲れてんだよ…」
「昨日……へへっ」
……このやろう。
幸せ思考め。
………お腹空いた。
ごそごそと立ち上がって、キッチンに向かう。
えーっと………
そーめん…
……………ない。
「舞憂?どうかした?」
「……そーめん…」
「は?」
「そーめんがナイ……」
「そーめん?」
「そーめんが食べたい〜!!!!」
「まっ!!舞憂っ!?!?」
そーめん……
食べたい!!!
日本の夏といえばそーめんでしょ!!!
「まーまー。じゃあ買い物行こーぜっ!!」
嬉しそーに言いやがってぇ…
…でもそーめん食べたいし。
「………行く。」
楽なTシャツをちゃんとしたやつに着替えて、ミュールを履く。
「行ってくる。」
「いやいやっ!!俺も行くからっ!!」
二人で、近くのスーパーに。
ああ〜スイカも食べたくなってきた。
夏だもんな〜
やっぱスイカだよな〜
でもやっぱそーめんも捨てらんし…
お昼にそーめん食べて、夜スイカ食べようかな。
うん、そうしよ。
ちょうど玲もいるから運んでもらえるし!!
重いから、ついでに今日は禁酒してみよっかな。
よし、決まり!!!
「れ〜い〜、スイカ持って帰ってね?」
「ん、スイカ?そーめんは?」
「昼そーめんで夜ご飯の後にスイカ。」
「りょ〜かい。」
夜ご飯は何にしよっかな〜
夜も日本っぽくお刺身にすることにした。
「何の刺身がイイ?」
「サーモンとータコとー………」
「イカも食べたい。」
「……俺、イカ嫌いなんだけど。」
知るか。
けっきょく魚をたくさん買って、そーめんを買って、スイカを買って、家に帰った。
あ〜やっぱそーめんうまい。
明日もお昼はそーめんでイイや。