「‥野良、猫?」


「ニャアーッ」



黒猫は大きく鳴くと


人が1人、入れるくらいの


狭い道に入っていった



僕はそんな黒猫を見つめた



…なんなんだろう



「…ニャアー」



狭い道に入った黒猫が


僕の方を向き、また鳴いた



「……ついて来いってこと?」


「ニャアーッ」



僕は黒猫の後を追った



黒猫は先に進みつつ


僕と距離がひらくと、


立ち止まり僕をみた



「ニャアー、ニャアーッ」



まるで黒猫は僕に


『早く、早く』と言っているようだった