「親いるじゃん…。」

…ま、寝てるから大丈夫だろうし、いっか。


 ─ガラララッ

あたしは、ベランダから部屋を出た。



現在、優斗宅前。


あたしは、家の前に着いた、とだけメールを送った。


さっきから思ってたんだけど、今優斗の家にいるかな…?


いたら、あたしが居づらいんだけど…。


そう考えていたら、部屋の場所を示したメールが届いた。


インターホン、鳴らさなくてもいいよね。


そうメールに書いてたし。


 ─ガチャッ


靴を脱いで、小声でお邪魔しまーす、と言ってから階段を昇った。


昇ってすぐ左の部屋をノックする。


 「…入って。」


いつになく低い声で、優斗が答えた。


ゆっくりドアを開けた。


黒で統一されたシンプルな部屋。


その中に、ベッドに座って俯いている優斗がいた。


…何かあったよね、絶対。


いつもは、こんなに明らかに分かるほど暗くない…。



しばらく間を置いてから、彼は言った。