｢…確かに､優斗の言った通りだよ。ほぼ作り笑いだった。
つか…なんでそこまで､あたしのこと分かんの？
そして何故、作り笑いしていたことをあたしに言う。｣
言い終えてから、顔をあげて、彼の顔を見た。
相変わらず無表情で、感情が読み取れない。
あたしが前に好きだった郁人(ｲｸﾄ)先輩も、こんな感じに無表情多かったな～。
まあ優斗は、郁人先輩なんかとは違うと思うけどさ。
郁人先輩､無表情な上に怖かったな～。
そういえばあたしが好きになったのは今から…
｢きっと元はポジティブで、今は輪に入れないだけなのかな、って気になったから。
それに…俺となんとなく似てるな、って思ってさ…。｣
昔の話をしかける程の間を置いてから、優斗はそう言った。
彼の顔は、変わらず無表情だった。
確かに、あたしは根はポジティブ人間。
状況が状況で、今は作り笑いをしているだけ。
見ているだけで、ここまで詳しく分かる優斗は凄いや…。
つか、"似てる"って、どういうことなんだろう？
訊きたかったけど、訊けない。
訊いちゃいけない…。
直感的にそう思い、詳しく訊くことが出来なかった。
また、沈黙が訪れた。
…と思ったら、彼がいきなり、立ち止まった。
