─休み時間

 「優斗かっこいいよねー!」
 「ジャニーズ余裕で入れるっしょ!!」
 「前の学校で彼女とかいたの?」
 「携帯持ってる?」
 「番号教えて欲しいな~♪」


休み時間、
クラスの可愛い系のグループの女子達が優斗の周りに集まって、わいわい騒いでいた。

正直、五月蝿いし、鬱陶しい。

優斗も可哀想に…大変やね、同情の念で、優斗を見ていた。

…ふと、胸の奥がチクッと痛んだ気がした。

すぐ近くにいるのに、掴めない。そんなもどかしい感覚にも襲われた。


ああ、一体あたしはどうなってしまったんだ。

きっと、優斗だってああいう女子に囲まれている方が嬉し……く、ないのね。

チラッとこちらを見た。
助けを乞うような眼差しをあたしに向けていた。

あたしはそっぽを向いた。

あたしには関係ないし。


どうせ、可愛い子の手の内にコロッと引っ掛かるんでしょ?



複雑な気持ちのまま、休み時間は終わった。