唯を送っていった後、俺は部屋のベッドに仰向けになっていた。


何してんのやろ、俺……。


今まで誰にも話してこなかったことを、何でいとも簡単に他人に話してもうたんやろ…。


 「…はぁ…。」


月明かりだけが差し込む静寂に包まれた部屋。

その部屋に、俺の溜め息が小さく響いた。


最近、自分がどうなっとるんか分からんわ…。


人なんて、女なんて信用しないって決めてたのに…。


助けを求めた相手が、よりによって女とは…。


…でも、唯だけは、他の奴と違う気がした。

確実に"信用できる"って思えたわけじゃない。


ただの勘、だけど。



自分で言うのもアレやけど、俺はモテる。

俺に寄ってくる奴なんて、大概は体とか、世間体、顔目当てのやつらだけだった。


俺にひっついてくる、真面目そうなやつ、大人っぽいやつ、ぶりっ子なやつ…。


色々な女を見てきた。

だから、少しだけでも違う、って思ったのかもしれん。

だから、分かったのかもしれん。


アイツはいつでも純粋なんや、って…。