慰めようにも、理由が分からないから出来ない。


綺麗事を言ったって、優斗が気を悪くするだけだ。


迷った末に、声をかけずに抱き締めたまま、優しく、一定のリズムでトントンと叩いた。


優斗の嗚咽はしばらく止まらず、少し経ってからやっと止まった。


止まっても、あたしは叩き続けた。


 「ごめん…夜に呼び出して。」


 「ううん、大丈夫だよ。」


…本当は、内心ビクビクしてたけど…。


 「…何があったんか、訊かへんの?」


 「訊いて欲しいなら訊くけど…、いいの?」


彼が、小さく頷く。


ほんの少しだけ間を置いてから、彼がゆっくり話し出した。