そんな感じで始まった高校生活。

なんとあの彼は、私と同じクラスでした。

これはチャンスだと思ったのもつかの間、

彼の席の周りは他の女子生徒で、いつもいっぱい・・。

私はそれをただ後ろの席から眺めてるだけ。

全く以て進歩のない私って、本当に最悪・・。

「はぁ~・・」

思わず、ため息を漏らした。

「あんたも加わればイイじゃない?」

「うわっ、玲奈。ビックリさせないでよ」

急に私に話しかけてきたのは、友達の玲奈。

高校に入ってから仲良くなった私の最初の友達。

すごくスタイルも良くて、物事をハキハキと言うタイプで姉御的存在だ。

そして彼女は中学時代の彼を知る人物でもあったりする。

「いつまでもウジウジしてたら意味ないだろ。せめて名前くらい覚えてもらいな」

そう言いながら、私にデコピンをする。

『仕方ないでしょ。私、恋した事ないんだから』

心の中では堂々と言えることでも、玲奈の前では恥ずかしくて言えない。

「自信ないんだもん。周りの女の子、皆カワイイしさ」

「でも、あいつ女には軽いわけじゃないよ。っていうか、どっちかってと興味ないタイプ。今もほら、完全に周りの女子無視してるし」

確かに彼は無口なタイプだ。

周りの女子が色々と喋りかけてるのに、平然と読書してるし。

相手する気にもなれないって事なのかな・・。

「あっち側だったりしてな、あいつ」

「変な事言わないでよ。マジに考えちゃうじゃん!」

「冗談に決まってんだろ。馬鹿」

そうやっていつもからかうんだから。

でも、本当に彼は何を考えているのだろ・・。