入学式の帰り。

私は真美に今日の事を話した。

「それってさ恋したんじゃない?」

あっさりと述べられ、一瞬頭の中が真っ白になる私。

「・・・・ええ~!!これが恋なの!?」

暫くの間があってから、私は思わず叫んだ。

周りの視線が一斉にこちらを向く。

恥ずかしくて、私を置いて先へと歩く真美に小走りで近づく。

「だって、恋って楽しいって言ってたじゃん。全然、そんな感じじゃないよ?」

楽しいじゃなくて苦しい感じの方が近いし。

まあ、恋に関しては私より真美の方が先輩だけど・・。

「感じ方なんて人それぞれなの。彼を見た時、胸の中で何かを感じたんでしょ?」

「・・・まあね」

「はい、恋決定~♪」

真美は茶化すように私に言った。

何やら巧く丸め込まれたようで腑に落ちない。

まあ恋愛上では先輩なのだから、私が考えるより確かなのだと思うけど・・。

「ライバルも多いし親にはバレないように、しっかりとやりなよ」

真美は私のお尻を鞄で叩きながら言った。

折角、応援してくれてるんだし頑張らないと!

自分の中で『これが恋だ』と言い聞かせて、

私の恋は始まりました。