クスクスクス・・


少女が声を殺して笑っているのが聞こえ、葵衣は不思議に思って少女を見た。


すると、黄色い目をした少女が歌うように話し掛けてきた。


「こんにちはブルー フェアリー。
今日のお洋服、とっても素敵よ。」


そう言われた葵衣はカッと赤くなった。


年下のガキンチョに馬鹿にされたのだ。


怒鳴ろうと口を開けかけた瞬間、男が口を挟んだ。


「この子はブルー フェアリーじゃない。
これから、とびきり綺麗になるお客様だ。…謝りな。」


「お客様!?」


黄色い目をした少女は目を見開き、あっというまに青ざめてしまった。


「ご…ごめんなさい…。」


口に手を当て、震えながら謝る少女を気の毒に思った葵衣は、「もういいよ、気にしないで。」と優しく言った。


黄緑色の目をした少年は、終始 黙って、じっと葵衣を見ていた。



パンパカパーン・・★



突然 軽快な音が鳴り、男は笑顔で言った。


「着いたぞ!」