「ね、何時にする―?」
月穂は楽しそうに尋ねてきた。
「ん―。部活終わって…14時に月穂ん家迎えに行くわ。」
部活さえなければ
一日中空いてたのにな…。
まぁ陸上は好きでやってるし
しょうがねぇけど。
「了ー解♪待ってるね!
…んじゃ、ばぃばぃ!」
いつの間にか学校の正門をくぐり、月穂の教室の前に着いていた。
「じゃ―な。」
月穂を見送って
もうひとつ上の階に上がった。
残念ながら
月穂とはクラスが違う。
月穂はB組で俺はF組…。
高1の頃は同じだったが
今年からは進路希望別になったため別れてしまった…。
だから…変な男たちが
月穂を狙っていたりしても
あんま分からねぇんだよな。
いろんな噂とか……。
今の俺のクラスは楽しいし、
みんな仲がいいから好きだ。
でも、離れている月穂のことを考えると……………
正直、ツラいしモヤモヤする。
月穂は鈍感だから、自分が狙われてたとしても絶対気づかねぇだろうし・・・