「――――…磨…星磨!!!」
……………ん????
誰だろ――――――???
重たい瞼を開けると
そこには珠理さんがいた。
…どうやら俺も、いつの間にか眠っていたらしい。
「月穂、熱あるのね…。
今まで看病してくれてたの?」
「あぁ…。
昼休みに早退したらしくて…。」
月穂の可愛い寝顔を見つめた。
先ほどより呼吸が穏やかに
なっている…。
少し安心だけど
…まだ油断はできねぇな。
「そう…。疲れが出ちゃったのかしらね……。
…星磨ありがとう。
心配かけちゃったわね。」
そう言いながら珠理さんは
月穂の布団を優しく掛けなおした。
「いや全然。
…んじゃ俺、そろそろ帰るね。」
看護師の珠理さんも帰ってきたし、俺はもう必要ないだろう。
それに携帯の時計を見ると
20時を過ぎている。
結構寝過ごしたな………。
「えぇ。
…また月穂のこと、
宜しく頼むわね♪」
なんか珠理さん
やけに怪しい笑顔だな…。
眠っている月穂を起こさないように、
静かに扉を開け下に降りた。
「星磨にぃちゃん、ばぃばぃ!」
「星磨くん!またね――♪」
靴を履いていると、
綴未と律哉が
玄関まで見送りに来てくれた。
二人とも俺にとって
妹と弟のような存在。
だから昔から
可愛いがってきた…。
「…おぅ…じゃあな!!!」
二人に手を振って
すぐ隣の自分の家へと帰った。