私の部屋に戻れば見つかることはないはず。


早く止血しなきゃ……


不安そうなアンナを連れて男を私の部屋に通す。



男を椅子に座らせて、アンナに治療するように言う。


私がその正面に腰を下ろすと、男がようやく口を開いた。


「……ありがとう。どうやら助けてもらったようだ」


「いいえ。構いません」



部屋を照らすのは月明かりと小さなランプの光だけだったけれど、男の姿ははっきりと見えた。


白いマントで全身を覆い、鼻から上は銀の仮面で隠している。


仮面の下で光る瞳にまるで吸い込まれてしまうような錯覚を覚える。