助けなきゃ!!


男と目があって、何故かそう思った。


どうしてこんなところにいるのかわからないけれど、この人の目はとても真っ直ぐだわ。



一瞬の判断で私は叫ぼうとするアンナを押さえて、男の右手をとった。


「こちらへ」


男が少し動揺したように体を揺らす。


「ここにいては見つかってしまいます」


じっと男の目を見つめる。


私はあなたを助けたいの……。


そんな思いで男と目を合わせると、ス……と男が力を抜いたのがわかった。