つまり俺のいるこの部屋こそが、リーチェ姫の軟禁場所ということか……



「あなたは?」


思わず物思いにふけっていたが、リーチェの声で我に返った。


「……ああ、ルシアンだ」



そこで、俺の怪我の処置に当たっていた侍女が顔を上げた。


「終わりました」


怪我をした左腕を見ると、きれいに包帯が巻かれている。


王族付きの侍女だけあって手当ての仕方も一通り知っているようだ。


俺は立ち上がって二人を見た。


「本当に助かった。礼を言う」


そうして小さく頭を下げ、窓辺へ近づく。


ちらりと外を見ると、どうやら追ってきていた兵士たちはこの辺りには居ないようだった。