同じ大学狙うの無理ってことか。


残念……。



「探さないの? 食堂にいるかもよ」


たまきがいつのまにか汁まで平らげて空になった丼を、片手で弄びながら私に尋ねる。


「あっ! そっか。そうだよね」


キョロキョロと辺りを見回す。


昼休みの食堂は混んでて生徒だらけ。


見渡す限り、それらしき人はいない。


うーん、残念。


食堂にはいないようだなー。



私たちは自動販売機前に移動。


それぞれ飲み物を買って再び席につく。


「ところで、彼氏とはどうよー?」


紙コップのアイスコーヒーをたまきは口につけて、目だけ動かしてすだちと目を合わせようとする。


冷たいお茶のペットボトルの蓋を開けていたすだちは、視線をたまきに合わせた。


「順調だよ。東大近くにある私大が第一志望で受験するんだって」


「じゃあ、遠恋にならなくてよかったね。どーも私は彼氏がすだちに合わせてるような感じするんだけどなー」


「そんなことないよ。行きたいから行くみたい。専門学校生の彼とはどうなの?」


「もう、ラッブラブ! さっき、心愛に見せたんだけど見る?」


「はあ。プリ帳ね。見てあげる」


ため息を吐いて半ば呆れ顔のすだちとそれに気付かず、いそいそと鞄からプリ帳を取り出すたまき。


二人には彼氏がいるから彼氏トークが始まったら、つまんない。