すると先輩はなぜか笑い出した。 『なんだ松島、必死だな!…もしかして惚れたか?』 「なっ!………別にそういう訳じゃ」 『いいからいいから!…いや、遊びなら桐生はやめとけよ』 ………先輩の忠告よりも、このときの俺は彼女の名前を知れたことで浮かれていた。 「桐生菜月、かぁ」 そう呟き、俺は仕事に戻った。