携帯が視界に入った。 携帯の画面は眠っているあたし。 何も正尚の本性なんて知らないあたし。 正尚を信頼して眠ってしまっているあたし。 この時はまだなにも知らないんだよね……。 「……あたし何やってんのよ」 あんな男に騙されて… 涙は流れることを止めない。 それは朝が明けるまで続いた。