「俺…麻実と別れてから麻実がどれだけ俺にとって必要な存在か改めて知った」
「…」
「それは今でも変わらない」
「え…」
どういうこと……?
「今言うのは卑怯かもしれない。でも今言わないともう言えないかもしれねーし、もう後悔なんてしたくない」
大地はあたしを強く抱きしめた。
「…大地」
大地の心臓の音が聞こえる。
あたしの心臓の音も聞こえるのかな……。
「麻実…俺はお前が今でも好きなんだ。
だからまた俺と付き合ってほしい」
大地の声は弱々しかった。
「また俺を見てほしい」
「…大地」
「なぁ…俺は麻実を一生大切にするから……俺をまた"幼なじみ"じゃなくて"好きな人"として見てくれよ」
「…大地」
大地は、あたしを離すとあたしを真っ直ぐ見た。
「返事はいつでも待つから」
「…分かった……あたし、帰るね」
「ん…じゃあ、またな」
「またね…」
あたしは早足に大地の部屋を出た。