「そっか…麻実も噂を信じたんだ」




大地は悲しそうな顔をして笑った。



「大地…ごめん。あたし知らなくて…」




「…しょうがねーよ。お前は俺と田所がキスしてる所見たんだから」




そう言うけど大地の表情は変わらない。



「…それから田所さんとは」




「何にもねーよ…田所なんか女子から虐められだしたし」




「えっ!虐め!?」




「俺が悲しい顔をして"田所が脅してきた"って言ったらクラスの女子が田所を虐めだした」




「大地怖っ…」




「それぐらいしてもいーだろ。あいつが虐められた時は心の中からざまーみろって思った」




大地が言う言葉も分かる。

でも




「虐めはいけないよ…」




「俺も虐めはいけないと思ってる。でもな、あいつは虐めを受けるぐらいの事をしてるんだぞ」




「大地…」




大地の目は怒りを表していた。