あたしは自分の鞄を持つと、正尚の家を出た。
今はもう次の日になった時間帯で
駅まで走っても電車になんて間に合わない。
あたしは電車を諦めると正尚の家の近くの公園に入った。
あいつに頼るしかないか…。
着信履歴から慣れた手つきで電話を掛けた。
プルルル「俺はヒマ人じゃねーぞ」
相手は言葉とは裏腹に1コールで電話に出た。
「…大地」
大地の声を聞いた瞬間、涙が溢れた。
「麻美?どうした?」
今さっきとは違って真剣な声。
「正尚に…浮気されてた」
「…お前今どこだよ?」
「…正尚の家の近くの公園」
「迎えに行くから近くのコンビニに行け」
「う…ん」
電話を切ると、ブランコに座った。
涙が引くまでここにいよう。
あたしは自分を落ち着かせようと深呼吸した。