「なんであたしの気持ちをズバズバ当てちゃうのよ…」
いつもそうだ。
幼稚園の頃、友達とケンカして仲直りしたいのに謝りたいのに素直になれなくて悩んでいたら
大地が一緒に謝ってくれた。
中学の頃、大地を好きな娘があたしと大地が付き合ってることを知らずに手助けをしてくれと頼んできて
あたしが悩んでいた時、
大地はあたしが悩んでいることを知ってその娘に
"あいつ不器用だから言えなかったんだけど、俺と麻実付き合ってんだ。
だからごめん、気持ちには答られない"と謝ってくれた。
大地はいつもあたしの気持ちを知ってあたしを助けてくれる。
大地はいつもあたしのスーパーマンだ。
「大地は狡いよ…」
「…」
「いつもいつも助けてくれる」
「…」
「いつもいつも先回りして、あたしが伝える前にあたしの気持ちを知って助けてくれる」
「…」
「そんな大地が好きだった…大地を誰よりも必要にしていた」
こんなこと、今は関係ないのにあたしの口は止まらない。
「…」
「あの頃があたしにとって1番…幸せな時だった」
正尚の隣より、あたしは大地の隣が幸せだった。