あたしはマンションから走って出ると、大地の車にすぐに乗った。
「おかえり」
ドアを開けると大地は優しく笑ってくれた。
「大地っ…」
けれど、あたしの表情を見ると大地の表情が真剣な顔に変わった。
「なにがあったんだよ?」
「大地っ…」
あたしは大地に強く抱き着いた。
「麻実?どうした?」
「大地…怖かったよ…」
やっと自分の気持ちが言えた…。
「怖かった…?何があったんだよ?」
「あたしが見た夢の通りになったの…」
「えっ…」
「…別れようって言ったら……正尚が別れない、逃がさないって…」
「……」
「大地…怖かったよ」
あたしはいつの間にか涙を流しながら大地に抱き着いていた。
「麻実…よく頑張ったな」
大地はあたしを強く抱きしめてくれた。