「そんな訳ねーだろ。1年間も口説いて落とした女だぞ?
たった1回浮気がバレただけでフラれる訳ねーだろ」
『ふーん…で、どうすんのよ』
「また麻実に俺を惚れさすんだよ」
『へぇ~…正尚にそんなことできるの?』
朝海は馬鹿にしたように言ってきて腹立つけど今は許そう。
今は朝海への苛立ちよりこれからのことを考えないといけない。
「あいつは俺から逃げられねーよ」
『…まぁ、頑張れば?正司<セイジ>がもうすぐ帰って来るし、切るわ』
「おぅ。そういえば次いつ会う?」
『今さっきまで、彼女のこと言ってた奴がもう浮気相手と会う約束なんて…フラれるはずよ』
朝海は俺の行動に呆れているようだ。
「そんなこと言って、お前も会いたいだろ?」
『クスッ…まぁね』
「じゃあまた連絡する」
『了解。じゃあーね―』
電話を切ると、画面は待受の幸せそうに移っている俺と麻実。
2年記念日で撮ったプリクラだ。