ピンポーン
ガチャ
「え…麻実?」
「正尚…」
目の前には2年愛した彼。
「なんで鍵持ってんのに入ってこないの?
それより入りなよ。なんで昨日いきなり帰ったのか気になるし」
正尚はドアを開けて、あたしが部屋に入るのを待っている。
でもあたしは部屋には入らない。
「麻実?入りなよ」
「嫌…正尚……別れよう」
今さっきまで揺らいでいたけど大地の言葉で決めた。
あたしは正尚との別れを選択した。
浮気した正尚とはもう戻れない。
「麻実なに言ってんだよ、早く入りなよ」
勇気を振り絞って言ったのに正尚は軽く流した。
「嫌…行かない。正尚、別れて」
もう1度言うと正尚は今さっきまで笑顔だったのに無表情になった。
でもすぐに笑顔を取り戻した。