「…懐かしかったな」




あの日からあたしたちは"幼なじみ"から"恋人"になった。




笑い合って、抱きしめ合って、

幸せを共感していた。





「なにが?」




「…なんでもないよ」





こんなこと言ってもきっと大地が気を使うはずだ。




「なぁ、千愛」




「なに?」




「お前彼氏とどうすんだよ?」




「…ちゃんと決めてる」




「そっか…別れるのか?」




あたしは大地の問いに頭を縦に振った。




「俺も一緒に行こうか?」




「うぅん…いい。これはあたしたちの問題だから」




「…」




大地には助けてもらったけど元の問題はあたしと正尚の問題。



大地には迷惑掛けたくない。





「…いつ言いにいくんだ?」




「着替えたら、すぐにでも行くつもり」




あたしにはもう正尚への気持ちはない。



昨日正尚の浮気を知ったのに全然正尚への気持ちがないからなんだか不思議と


2年間も付き合ったのに、呆気なかったな…という2つの気持ちがあった。