ガバッ


「嫌あぁ――――――」




「麻実…?麻実っ!」




「ハァハァハァハァハァ…夢?」




今さっきの正尚は…夢だったの?





「麻実、大丈夫か?汗びっしょりだぞ?」




大地言われて自分の体を触ると汗びっしょりになっていた。




「大地…」




あたしは隣で寝ていた大地に抱き着いた。




「麻実…もう大丈夫だから」




「大地…」




怖かった。



暗闇の中にいる正尚がだんだん近づいて行って…



最後にはあたしも暗闇に呑まれた。





今思い出しても怖い…。




「麻実、水取りに行ってやるからちょっと離してくれ」




「嫌…水はいいから…傍にいて」




「麻実…」




本当は喉が渇いて水が欲しいけど、何より今は1人になる方が嫌だ。




「1人になるのが嫌か?」




「…うん」