「まさたか。三智正尚」




「…みちまさたかさん」




「正尚でいいよ。あと敬語はやめて」




「…分かった」




「いい子」




そう言ってあたしの頭を優しく撫でてくれた。




「ほら駅に着いたよ」




「本当だ…」



正尚が指差す方向を見るとあたしが行きたかった場所、駅だった。



良かった…着けた。



「ありがとう」




「どう致しまして」




「じゃあ」



あたしは頭を下げると駅に足を向けた。



「待って」



正尚はあたしの手を掴んだ。



「連絡…交換しない?」




「……うん」



この時にはもう気持ちは正尚に向いていたのかもしれない…。


あたしは素直に携帯を出してアドレスを交換した。




そしてあたしと正尚は連絡を取り、恋をし、出会って1年後に付き合って…2年が経った。




…………――――――