「…これは…」
主治医は驚いたように口を開き、まだ2人の死を受け止めきれていない僕に優しく結果を教えてくれた。
「辰巳様。お二人は自然死…、すなわち寿命で亡くなられたようです。それも多分お二人同時に」
「…え?」
「私は40年間医者をしていますが、こんなことは初めてです」
2人一緒に?寿命で?
「薫子様の急激な老化は多分、死とともに元の姿になられたのだと思います」
主治医は2人の鑑定を終えると葬儀の手続きや色々と手配をしてくるとすぐに出て行った。
僕は華さんや父さんや母さんにも早く伝えなければいけないと思ったが、2人のそばを離れたくなくて動けなかった。