薫子さんは若い姿ではなく、年相応の姿に、お婆さんの姿になっていたのだ。


僕は薫子さんの姿に驚いたが2人の異変に気づいた。ぱっと見、2人共寄り添って寝ているように見えたが、違った。







「…薫子さん、…龍之介さ…ん」







2人は息をしていなかった。




寝ているように、幸せそうな表情をしているのに、息をしていなかった。僕は頬に涙が流れているのを感じた。









「…なんで…」







僕は、もう冷たくなってしまっている2人の手を握りしめた。握り返してくれると信じ、強く強く握りしめた。






しばらくして僕は東雲家の主治医に連絡をとった。主治医も薫子さんの急激な老化に驚きながらも死因鑑定をしてくれた。