トントンッ






「こんにちは。辰巳です」







何度もノックをしても声を出してもなんの反応もなかった。ドアに手をかけると開いていた。


僕は何だか胸騒ぎがして中に足を進めた。2人はすぐに見つかった。縁側に寄り添って桜を眺めるように座っていた。








「あっ勝手にお邪魔してすみません。返事がなかったので…」







何の返答もない。



僕は2人が怒ったのだと思い、手土産の桜餅を2人のそばまで持って行った。








「これ、桜餅持ってきたんです。2人で食べて下さい」








やはり、何の返答もない。



何かがおかしい。そう思い、2人がちゃんと見えるように2人の前に立った。そして、言葉を失った。