「舞凛―――っ!!」



そう名前を呼ばれると、舞凛の体がピクッと反応した。



確かに和くんの声だ…。


今度はハッキリと聞こえた…私の名前を呼ぶ和くんの声。


追い駆けて来てくれたんだ…そう思うと、

心が温かくなるのと同時に、嬉しくも感じた。


だけど、会いたくない…会えない気持ちが更に私の中で大きくなっていた。


「(ここで立ち止まってしまったら、きっと直ぐに追いつかれちゃう…)」


そう思った私は、歩いていた足を止め、再び走り出した。


歩いていたのは、大分落ち着いたし、涙も止まってたから。


それに、何よりここまで来ればきっと大丈夫…そう思ったからなんだけど、

まさかここまで追い駆けて来てくれるなんて…。