「はい、それじゃぁ。遅くにすいませんでした」


そう言って、俺は電話を切った。


「おばさん、良いってよ。よかったな、明日が土曜で」


「…ぅん」


舞凛は土曜の授業を今日、金曜日に変更してたんだ。


今日来るのは知ってたし、和哉のことも聞かれると思ってた。


覚悟はしてたんだけど、ここまでとはな…。


「じゃぁ、帰ろう」


「…ぅん」


帰り道、俺たちは一言も交わすことはなかった…。


俺が、何て声を掛けたら良いか、わからなかったんだ…。


こんなに和哉が好きなんだな…お前は…。