折角、ここまで頑張って来たんだ。


受験までもう直ぐ。


今は本当に大事な時期。


それは、塾で教えている俺が一番よくわかってる。


そんなラストスパートを掛ける大事な時期に、辛い思いなんてさせたくない。


バレて、辛い思いをするのは、絶対、舞凛だから。


だから、今は耐えて、堪えてくれ…。


受験が終わったら、きっとお前に伝える。


絶対に、伝えるから……。


今はごめん、舞凛。



そう和哉は心の内で謝るのだった。


そして、自分の気持ちと今の嬉しさを隠すように、授業を押し進めて行くのだった。


[和哉side 終]