「ありがとう」


そう言うと、今度は優しく頭を撫でてくれた。


「よっし、んじゃぁ帰るか」


しばらくしてから和くんがそう切り出した。


「うん。(まだ少し一緒にいたいけど…しょうがないもんね)」


「送る」


「うん、ありがとう」


電車に乗り、家まで歩く。


少しずつ、少しずつ近付いて行く距離…やっぱり、もう少し一緒にいたかったな…。


「そんな顔すんな。明日には会えるんだから」


「!?(もしかして、口に出してた!?)」


「言っとくけど、お前が口に出したわけじゃないよ。でも、顔の表情で読み取れる。

本当、わかりやすすぎんだよ」