「なんだよ」

 不満げなライカを意に介さず、ベリルは運転席のドアを開き、座席の下に置いてある予備の弾薬を取り出してポケットに収めていく。

 遠方から近づいてくる幾つもの影を視界に捉えたライカは目を丸くした。

「これって、俺の受けた依頼で?」

 また、俺のせいで──?

「だからどうした」

 お前が受けようが受けまいが来る者は来る。

「……俺」

 目を伏せ、握った拳を振るわせているライカにベリルは溜息を漏らした。

 この状態では役に立たない。

「中へ」

 ピックアップトラックをあごで示す。