自分の知らないセシエルとの絆がそこにある。俺はどこまでオヤジに信じられていたんだろう。

 俺は、どこまでオヤジを信じていたんだろう。

 どうにもならない苛立ちが心の奥に積み重ねられていく。

「なんだってあんたを捕まえろなんて──」

 そんな感情を振り払うように現実に戻す。

「不死の人間がいるのだ、調べたくもなるだろう」

「ああ、そか」

 他人事のような口調に少々呆れながらも納得し、こなれた物言いに怪訝な表情を浮かべた。

「ずっと狙われてきたのか?」

「最近ではお前のような新米をその気にさせて寄越してくるようになった」

「俺は確かに一人前になったのはこないだだけど、十五の頃からオヤジとずっと過ごしてきたんだ!」

 そこら辺の素人と同じにされたくないと鼻息を荒くした。