「人類の歴史において、あってはならない存在の事だ。私は不死のミッシング・ジェムなのだよ」

「ホントに?」

 諦めさせるためとはいえ、いくらなんでも突拍子過ぎて嘘を吐くような内容とも思えない。

 だからといってすぐに信じられるほどの信憑性もない。

「奴は決して口にしないと約束した。どうせ時間が経てば広まる話だというのに」

 つぶやいたその表情は呆れながらも穏やかだった。

「──にしてもだ」

 切り替えるように発しライカに向き直る。