「セシエルに似ていると言われたことはあるがね」

「えっ」

 驚いた顔をしたライカに眉を寄せる。

「奴を知っているのか」

 確かにハンターなら知っているかもしれない、彼は名の知れた者だった。

「俺の、育ての親だった──」

 ベリルは紡がれた言葉に切れ長の瞳を丸くする。

 そして懐かしい記憶を呼び覚ますように一度、強く瞼を閉じた。

「奴は今どこに」

 問いかけられた瞬間、ライカの体から体温が失われてゆく。

「死んだよ。二年前に」

 オヤジとこの男とはどんな間柄だったのかと推測しつつ、震える唇を必死に心で抑え絞り出した。