「ほう?」

 思い出そうとしている様子にベリルは目を据わらせた。

「詳細も調べぬまま相手を捕えようとするなど出直してはどうだね」

 初めて感情らしい感情を示されてライカは戸惑った。

 しかも、どうしてだが追いかけていた自分が怒られている。

「な、なんだよ! えっらそーに!」

「文句があるなら言ってみろ」

「ぐ──っ」

 今までにないぶっきらぼうとした言動に、ライカはもはや何も言えなくなる。

 そんなライカを一瞥しベリルは深い溜息を吐き出した。