なんで正々堂々と立ち向かってこないんだ、俺がそんなに怖いのか。

 それとも、何かの悪事をはたらくのに時間がないのか。

「そんなことさせてたまるか」

 舌打ちしつつ悔しげに発する。

 ライカは相手の感情が読み取れずに若干、戸惑っていた。

 上品ではあるがのらりくらりとした物言いで、こちらが苛ついている間に逃げられてしまう。

「次こそは絶対に捕まえてやる」

 これ以上悪いことをさせてなるものか。