「え?」



可愛すぎって?



「誰にもその笑顔見せんなよ?特に男!」



「え…?あ、うん。」



私はわけもわからず、翼に返事をする。



「よろしい」



それを満足したような翼の顔。






そんな翼に思わず、


「…ぷっ」


「なんで笑うんだよ」


笑ってしまった。



だってあまりにも満足したような顔で私のことみるんだもん!



「なんでもなーい」



ふふ。



翼の方が可愛いなんて言ったら怒られるから
秘密にしておく事にした。


    未緒-Side-END.



◎    翼-Side-




俺には彼女がいる。



山口未緒。



1コ下の高3。



頭がよくて
でも、ドジで…
そんな未緒がほっとけなくて



可愛い可愛い、俺の自慢の彼女。






――ある休日の事。



未緒がどっかに行きたいらしくうずうずしていた。



俺はどちらかと言うと、



部屋で未緒とイチャつきたいけどなぁ〜…。



ん?



よく見ると未緒は口をもぐもぐしている。



なんか食ってんのか?






「未緒、こっち来て?」



俺は未緒を呼び寄せた。



ソファーに預けていた身体を起こして手で未緒を手招きする。



「何ー?」と



言い首を傾げて俺の元に寄って来る未緒。



可愛いな、さすが俺の選んだ彼女。



可愛すぎてキスしたくなるほどだ。







俺の目の前に来た未緒をグッと腕の中へ寄せた。



すると、口の中から甘い匂い。



やっぱ、なんか食ってる…。



「未緒から甘い匂いするだけど?」



「だっ、だって苺の飴舐めてるもん!」



ふーん



そうか、飴か…



飴…



いいこと思いついたぞ♪






…――――



「ねぇ未緒、その飴…甘い?」



「甘いよ?そりゃあ、飴だし、苺だし…」



甘いのか…



まあ予想してたし、まいっか。



未緒の顎をクイッと上げて浅いディープキスをする。


「…ふっ、ぅ…んっ…んん」



数秒間、飴を舐めながら未緒とのキスを楽しむ俺は、



苦しがっていた未緒の口から最後に飴を奪って口を放してやった。






「…ぷはっ」と



肩で息する未緒の顔はほてっていた。



それが本当に可愛くて…



もっといじめたいって思った。



「あ〜ほんとに甘ぇーな!」



そう言うと、未緒は膨れっ面で…



また顔を赤くした。








やばい、その顔!



「…その顔、誰にも見せんなよ?特に男!分かったな?」



「え…?う、うん。」



ほんとに分かってて頷いてんのかな?


まあ、よしとするか。



「うん、よろしい」



俺は満足したので、そう答えたら…