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遊ぶだけ遊び尽くして、残すは遊園地の真ん中、小さな遊園地にしては立派な観覧車のみとなった。

「せっかくだから、男女ペアで行こうぜー!」

とノリノリの圭吾は、勿論伊織ちゃんと二人きりになりたいからだろう。

俺だって芹梨と…という気持ちはあるものの、圭吾みたいに大っぴらにできるわけがない。

「あ、じゃあ公平にくじにしよっか!」

そう提案したのは、あろうことか伊織ちゃん。
さっと持っていた手帳をちぎってくじを作る彼女を、圭吾はショックを隠せない顔で眺めていた。

残念、圭吾。
矢印はどうやら一方通行だったみたいだ。

「はい。同じ数字の二人がペアね」

伊織ちゃんの手の中にある紙切れ。

自分の数字と芹梨の数字が重なる事を、小さく願った。


…「わー、夕陽綺麗!」

「思ったより大きいね」、はしゃぐ佐奈ちゃんの前で、俺も「だな」と窓の外を見た。

びっくりするくらい丸い夕陽が街中に沈んでいる。

今、芹梨はどんな気持ちで眺めているだろう。
ふと、そんな事を思った。

「圭吾君って、伊織狙い?」