「…誰?」
「伊織ちゃん♪」
「伊織ちゃんて…」
聞き覚えのある名前を口に出した瞬間、彼女が誰なのか思い出した。
「合コン来てた?」
「そ。実は今いい感じなんだよね~」
「まじで?」
確か、パーマのかかったロングヘアの可愛い子だった。
圭吾達と一緒に場を盛り上げてくれていた印象だ。
「で、どーにか遊園地のチケットもゲットして、誘ったわけよ。でも無駄に六枚ももらっちゃったって言ったら、じゃあ皆で行こうってなって」
圭吾的には二人で行きたかったのかもしれないが、その表情からして、とにかくまた遊びに行けるのが嬉しいというところだろう。
まるで、合コン前の俺みたいだ。
「伊織ちゃんに言ったら、亜紀ちゃんだけ用事があって無理なんだって。こっちは真二がバイトで無理って言ってたから、丁度六人ってわけ」
「いける?来週の日曜日」、そう聞かれたが、答えはもう1つしかない。
「まぁ…多分」
考える素振りを一応見せたものの、断る理由は何もない。
だって、今の圭吾の話ぶりだと、確実に来るはずで。
「芹梨ちゃんも来るし?」
そう、芹梨…って。