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「合コン!?」
ざわついた食堂の中、一際大きな声で叫んだ目の前の真二が立ち上がった。
俺は真二に話していた訳ではなく、横にいる紺に話していたはずなのに。さすが、地獄耳真ちゃんだ。
彼は今食べていたカレーのスプーンを顔の横に持ち上げて、そのままマイクの様に俺の目の前にずいっと持ってくる。
「さぁ遥ちゃん!詳細を説明してもらいましょうか!」
「いや、真二うざい、てかうるせーよ」
「いつ、どこ、何人で!」
「あ、ちなみに俺いつでもフリー」、真二の横から圭吾が満面の笑顔で言ってきた。こいつらのいる前で話すべきじゃなかったか。
「日にちは決めてないけど…青女の子」
「青女!?」
真二と圭吾は見事にハミングし、ガッツポーズで抱き合った。
裏腹に、俺はため息をついてオムライスを口に運ぶ。
「青女って、遥知り合いいたっけ?」
隣の紺がようやく口を開いた。
そう、俺は紺に話していたのだ。
「知り合いってか…、芹梨」
「え?」
さすがの紺も驚いて、箸を置いた。