…女の子達の分の飲み物も買って、乾燥しきっている浜辺を歩く。

若者が多い海は、それだけでテンションが上がった様に太陽に反射してキラキラ輝いていた。

がさごそなるビニール袋は汗をかき、たまに俺のふくらはぎを濡らす。

ふと視線を日陰の方にずらすと、見覚えのある横顔が見えた。


日陰にあるちょっとした段差に腰かけるシルエットは、やっぱりはっとするくらい綺麗で。


俺は海を見つめるその横顔に向かって、足を進めた。


「冷た」

アクエリアスのペットボトルを芹梨の横顔につける。

芹梨は驚いて肩をすくめ、俺の方を向いた。

『なんだ、遥君…驚いた』
「1人?他の子は?」
『お手洗い行って、飲み物買いに行った』

なんだ、じゃあ買わなくてよかったかな。
なんて思いながら、彼女の横に腰を下ろす。

「はい」
『いいの?飲んで』
「元々芹梨のだから」

そう言ってアクエリアスを渡すと、芹梨は笑顔でひょこっと頭を下げた。
その一連の動きが思わず笑ってしまう程可愛い。

芹梨にばれない様に、ちらっとその横顔を盗み見る。