……………

ビーチバレーにビーチフラッグ。
海の中でも存分にはしゃぎまくって、ようやく皆に疲れが見え始めたのは午後の2時を回ってからだった。

朝から遊んでるのに、若さってすげぇ。

でも時間も時間。
丁度太陽の勢いも抜群な時間帯なわけで。
女の子達はメイク直しに向かい、俺達はビーチに広げたビニールシートの上で、海で体力を奪われた肢体を自由気儘に投げ出していた。

「遥ぁ、の…」
「飲み物買い出しはじゃんけんだぞ」
「…ですよね~」

圭吾の猫なで声は頼み事をする時。

俺はきっぱりとそれを断って、んっと伸びをした。

でも確かに、冷たい飲み物は欲しい時間帯だ。
冷えた炭酸が喉を通るのを想像すると、思わずごくんと唾を飲み込んでしまう。

「…しゃーねぇなぁ、買い出し行くか」

じゃんけんとなるとまたあの暑苦しい圭吾や真二が出てくるのも面倒だったから、俺は自ら立ち上がる。

「お前ら何がいい?」
「コーラ!」
「コーラ!」
「コ…」
「はいはい、コーラね」

全員見事にコーラ。
暑い海辺に炭酸は必須なのだ。

女の子達にも何か買って行こう。
そう思いながら、火傷しそうな浜辺に足を進めた。